俺のボディガードは陰陽師。~第三幕・不穏な悲鳴~
「き、聞きたいこと?何だそりゃ」
「…なずなのことだよ!あいつ、名字鈴代じゃねえのか?…音宮なのか?!」
俺のマジな剣幕に圧倒され、絶句していた輝樹だが。
何かを察したかのように「ふーん…」と、言いながらうんうんと頷いている。
「あぁ…謎多いもんな、あいつ」
謎…?
多い…かも、しれない。
それから、気付けばお昼時で。
輝樹に「弁当でも食いながら話しすっか」と提案される。
お互い直ぐ様教室から弁当を持ってきて、空き教室でこっそり二人。弁当を食べながら話すこととなった。
輝樹はなぜ、なずなを『音宮』と呼んだのか。
なぜ…『鈴代』じゃないのか?
「…いやいや。あいつは元々『音宮』なんだって。…いや、『音宮』だったっていうか」
「は?」
「中学ん時は確かに『音宮』だったんだよ。それが高校進学したとたん『鈴代』になってて…ほら、オトナの事情ってやつがあるからさ?」
「オトナの事情…離婚とか?いや、待て」
離婚で名字が変わる?
だとしたら、ちょっとそれは変な話なのだ。