俺のボディガードは陰陽師。~第三幕・不穏な悲鳴~
離婚…確かに、なずなが『離婚した』とははっきり言ってなかったから、何とも言えないけど。
なずなが親元を離れて陰陽師小学校に通っている間に、母親が出ていった…はず。
だから、父一人、子一人で父子家庭。
名字が変わることなんて…ないはずだ。
じゃあ、なぜ高校進学を機に、名字が変わってるんだ?
なぜ、そのタイミング?
「…輝樹、何で名字変わったのか、なずなに聞かなかったのかよ」
「いやいやいや。…聞ける?聞けないだろ。そんなデリケートな部分」
「そうだな…川村にも聞いてないのか?」
「いや、川村もよくわからないって…マブの川村がわからないんだったら、誰もわからなくない?」
「そうか…」
すると、輝樹がうーんと考え込んでいる。
たまに俺の方をチラチラと見ながら。
「どうしたんだよ」
「いや、これ、話していいのか…」
「そこまで言われたら気になるだろ。話せ。話せよ」
「じゃあ…伶士さ、あいつの親父さん、三年近く入院してんの知ってる?」
「うん…はっ?!三年?!」