俺のボディガードは陰陽師。~第三幕・不穏な悲鳴~
おじさん、何で入院…?
(…あっ)
その時、ふと思い出す。
《なずなの父を攻撃し、病院から出られない体にした張本人が…あの、リグ・ヴェーダ》
もしかしておじさん…あの、黒い翼の彼にやられたのか…?
何でっ…?!
よく知ってる人だとわかると、それは他人事ではない。
おじさん、どんな容態なんだ?
大丈夫なのか?!
…だなんて不安になりながらも。
《それから、なずなは自責の念にかられている。親の仇を取り逃がしたことを》
なずなに直接聞けるワケがない…。
ひとつ、謎を手にいれても。
またひとつ、謎が増える。
そして、また頭の中でぐるぐると回ってしまい。
また、ボーッと考え込んでいる。
なずなが、実は『音宮』で。
なずなはおじさんの娘で、あのリラで。
でも、何で俺は気付かなかったのか。
なぜ、その話を誰もしなかったのか。
そして、おじさんが入院しているとしたら、大丈夫なのか。
なぜ、この話を…俺は耳にすることがなかったのか。