俺のボディガードは陰陽師。~第三幕・不穏な悲鳴~
しかし、顔にはバッチリと出ていたようである。
「やっぱり…」と、剣軌が目を細めて呟いた。
そして、心の叫びをそのままおもむろに口にしてしまう。
「…なぜ、それを知ってる…」
そこで社長の質問に答えたのは、警察本部の地下住人と言われる超常現象調査室の長、綾小路拓狼だった。
「さっき、一時間ほど前に、僕のケータイに着信があったんです。…息子さんから」
そう言って、手にしていたスマホをちらつかせて見せる。
「綾小路のケータイに?…何で?」
「さあ…恐らく、僕に『何か』聞きたいことがあったのでしょう」
「聞きたいこと…?」
「伶士くんが僕に聞きたいことといえば、もうそっちの話しかないでしょう…」
「そっち?…あ、あぁ」
『そっち』の意味を理解したようで、社長は苦虫潰す顔をしながら「ああぁぁ…」と、呻いたような声をあげる。
しかし、陰陽師を取りまとめるボスは、そこを見逃さない。
「…社長、御答え下さい。伶士くんは何を聞いてきたんですか?社長は何を話したんですか?」
「お、俺…?」
「ええ、そうです」