俺のボディガードは陰陽師。~第三幕・不穏な悲鳴~

「それは、橘社長のせいではありません!それは厨二病ヤローの狡猾な罠です!…って、今までに100回以上言ってるんですけど?」

「俺のせいじゃないって、いや、それは何遍も聞いてるけどなっ…」

「あの厨二病ヤローが狙ったのは、最初から優さんだった。けど、真っ向から狙っても優さんとアイツじゃ力の差がありすぎる。だから、確実に仕留めるために、優さんがそれを庇うことを見越して社長を狙ったんです。…って、何回言わせるんですか」

「………」

「逆に言えば、優さんが庇って攻撃を受けるのなら、社長じゃなくても良かったんです。…ひょっとしたら、それはあの場に社長と一緒にいたなずなだったかもしれない。…どっちにしても、優さんなら盾に入っていた」



起こってしまった過去を思い出しては、何度も悔やみ、握った拳を震わす。

…何故、自分がその場にいなかったのか。

しかし、忌むべきは過去でも自分でもない。

再び目の前に現れた敵、なのだから。


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