俺のボディガードは陰陽師。~第三幕・不穏な悲鳴~
自分の息子が、戦局に巻き込まれることになる。
それを躊躇しない親はいない。
思いは察するけど、でも。
時間は止まってくれない。
「まあまあまあまあ。まずは早速明日、僕がそこの誤解を解いてきますから?」
ピリピリしている二人の間を仲裁するように、綾小路は自分のスマホをちらつかせる。
「拓狼さん、助かります。…でも、優越感感じてませんか?」
「まあまあまあまあ」
そして、俯く社長に、二人は改めてこれからの思いの程を述べる。
「大丈夫です、社長。我々が必ず護ります」
「…陰陽師さんや『神童』らだけでなく、警察だって協力致しますよん?だって『マントラ』の件はまだ終わってませんから?」
『護られる』ということは。
思いの外、苦しくて痛い。
長い間、護られてきた経験が、そう豪語している。
「…わかった」
でも、自分自身が対抗出来る術を持っていないと。
もう、『護られる』しかないのだ。