俺のボディガードは陰陽師。~第三幕・不穏な悲鳴~
「…ところで。来週、24日の件は頼んだぞ」
社長が置いたウイスキーグラスの氷がカランと音を鳴らして揺れた。
「オガサワラリゾートの新しいホテルのオープニングパーティーの日ですね?ほら、あそこ」
夜景の中に、ひとつ。
建ち並ぶビル街の中には、真新しいホテルが。
「オガサワラリゾートさん、まさかまたここに新しくホテルを建てるなんてねー?…当時は騒然としてたね。警察も大変だったよ…」
当時のことを思い出すと、苦笑いじゃ済まされないけれど。
「社長令嬢、専務の麗華さんのご意向です。…彼女もあのホテル爆破の件に関しては、思うところがあるかと」
「へぇ。剣軌くん、話してきたの?」
「はい。麗華嬢も思うところは我々と一緒です。だから協力しました。社長にもお願いしてね?」
ね?と、今度はニコッと笑みを向ける剣軌。
さっきの威圧の視線は、どこへやら。
まったくこいつは…と、心の中で苦笑する。