俺のボディガードは陰陽師。~第三幕・不穏な悲鳴~
颯太は、そんな俺のリアクションに驚いたのか、「お、おい!」と、体を揺すりながら、また顔を近付けてくる。
「れ、伶士、何そのリアクション!まさか、フラれっ…!」
「いや…」
「巷ではすげえ噂になってるぞ!伶士がなずぽよに告白したって!…どうした!どうしたんだよ!」
「………」
巷では噂?
だよな。
だって、廊下のど真ん中で『好きだ!』って叫んでんだもん、俺。
そりゃみんな聞いてるっつーの。
そうか…だから、御堂さんや富岡さんとか女子からやたらLINEが来てたのか。
全て、未既読ですが。
衝撃の事実のあまり、LINEを読む気力もない。
そんなこと聞かされても、リアクションのひとつも出てこない。
引き出し空っぽ。
「はあぁぁ…」
「伶士、どうした!ため息なんてついて!やっぱりフラれたのか?な?な?…伶士、大丈夫か!」
颯太、うるさい。
俺がフラれて落ち込んでると思ってるんだろうか。
実際、フラれてもないし、どうもなってない。
だって、それどころじゃねえんだもん。今。