俺のボディガードは陰陽師。~第三幕・不穏な悲鳴~
「…あぁ、そうだよなー。菩提さんに怒られるよなー。恐いよなー。最近、怒られてぴえんしちゃったしー?」
俺の棒読みのこのセリフに、なずなの顔はピクッと反応した。
「…あぁ?…んだと?」
多少顔がピキピキしている。
「…私がいつ剣軌に怒られてぴえんしたってよ!おまえぇぇっ!」
「え?この間怒られてたじゃん。で、ぴえん」
「ち、違うわぁっ!あれは!…おまえもわかるだろ!」
「うん。実はわかってる。でもぴえん。でも菩提さんにビビってるだろ?ぴえん」
「…伶士コラァァっ!」
必殺・負けず嫌いへの挑発。
これで「ビビっとらんわ!」と、まんまと乗ってきてくれりゃ…。
すると、なずなはハッとしてクックッ…と笑い出す。
「…私ゃ剣軌にビビっとらんけどな?…だからって『誰がビビってるってよ!だったら来いや!』とは言わねえよ…?クックッ…私を挑発してハメようなんて、そうは行かん!」
ちっ。バレてた。
なずなもそこまでバカじゃないということか。
しかし、案ずるな。
奥の手は、ある。