俺のボディガードは陰陽師。~第三幕・不穏な悲鳴~
俺には、なずな一発落城の奥の手が…!
「なずな」
「…あぁ?まだ何かあるか!」
「俺を連れていってくれたら『さっぽろグリエ』に連れてってやる。特上サーロインステーキもちろん奢り」
「…えっ!」
必殺・特上サーロインステーキ取引。
一発落城の奥の手。
最初っからこれを使えよ!と、言いたくなるであろう作戦。
出し惜しみするべきではなかったな。
「…え?…え?…さっぽろグリエ、特上サーロインステーキ…?」
予想通り、なずながソワソワし出した。
こいつの前では、肉は絶対的存在だ。
ましてや、今大人気の最高級ステーキレストラン。
絶対、落ちる。落ちるぞ。
「あ、あそこ…予約半年待ち…」
「俺んち常連だし、オーナー、支配人顔パス。いつでも予約取れる」
「えぇっ!セレブの極み…!」
「肉、柔らかくて肉汁ブシャーだぞ」
「うっ…」
「口の中で一瞬で溶けて無くなるぞ」
「お、おおぉぉ!」
ますますソワソワし出した。
可愛いぐらい、予想通りのリアクションだ。