俺のボディガードは陰陽師。~第三幕・不穏な悲鳴~
なずなとしても驚きの展開だったのか、電話越しの口調にいつもの勢いがなかった。
「どういうわけ?」
『学校関係者が口堅くて、これといった情報が集まってなかったらしい。特にVIPとレディなんとかについては「我が学園が誇る素晴らしい生徒達です」ぐらいしか言わなくて、これまた不気味だとか』
だよな。
教員も生徒自身も、北桜学園は格式高い名門学園だと自負している。北桜プライドは相当高い。
そんな学園のボロなんて、到底喋るワケがない。
だけど、皆が口を揃えて同じ事を言うなんて、逆に怪しいと思うんだろう。
今思えば…俺、恐ろしい学園にいたな。
『OBに聞いて回っても、レディなんとかは知ってても、VIPとやらは最近のものなのか、存在すら知らない人が多いって……そんな中での伶士の話は有力情報だったみたいだ』
「ほら、役に立っただろ」
『…ふん』
「素直じゃないな?」
『やかましわ!…と、とりあえず、室長が伶士と話がしたいって言ってる。だから明日、本部に来てほしいって』
「ほんぶ…?」
『北海道警察本部!』