俺のボディガードは陰陽師。~第三幕・不穏な悲鳴~
正面玄関口に物々しく《北海道警察本部》と掲げた看板が目に入る。
いや、こんなところに立っているのも気まずいんだけど。
誰かに見られたらどうしよう。
被害届出しに行くのかしら?何の被害者かしら?なんて、思われてるとか(…)。
制服?…あんなびっちびちの着れない。
仕方なく、いつもと同じ白シャツに黒ニットとデニムという私服。
でも、気まずいながらも…緊張はしてる。
これから警察の人と話をするとか、そんな人と関わるの初めてだし。
なんたって、これから久々に古巣の北桜学園に行くのだから。
どうなるのか。
何が、待ち受けているのか。
そんなことを考えながら、ボーッと人間観察を続ける。
…あーっ。歩道のおばあちゃん雪道気を付けて。もう3月だけど、まだ氷張ってるから滑るよ。あわわ。杖危ない。
「伶士」
「…わっ!」
歩道の危ないおばあちゃんに気を取られていて、横からの気配に気付かずビックリしてしまった。
慌てて振り向くと、傍にはなずなが立っていた。
「ごめん、待った?」
「い、いや。大丈夫」
しかし、現れた姿に違和感を覚える。