俺のボディガードは陰陽師。~第三幕・不穏な悲鳴~
…なずな?
なずななんだけど。
何かいつもと違う。
制服だけど、いつもの制服じゃないからか。
エンジ色のニットに、ブラウンチェックのスカート…それ、北桜学園の制服?
しかし、違和感はそれだけじゃない。
いつもの巻き髪は、ストレートになっており。
いつものギャルメイク…薄い。
ギャルメイクじゃない。普通のナチュラルメイクだ。
ギャル・なずなではない。
普通のJKだ…!
なんと!
驚き隠せず、その普通なずなの姿をじっと見たまま固まってしまう。
しかし、何に驚いたのか、ヤツは察したらしい。
途端にクワッと険しい顔になった。
「…何じろじろ見てんだコラァ!…顔しょぼいとか普通だとか思ったか!この罰当たりが!」
「い、いや…」
ビックリした。
ビックリした!
そんな姿で現れるなんて!
普通に…かわいい。
「…室長が『そのヘアメイクだと目立つね』って、無理矢理私を普通にしたんだよ!…ちっきしょー!文句あるか!」
ギロッと睨まれ、凄まれる。
あまりの迫力に、一瞬怯んでしまった。