俺のボディガードは陰陽師。~第三幕・不穏な悲鳴~
「いや…文句ない」
「あーそーですか!…こっち、行くぞ」
「………」
普通のJKにされてプンプン怒ったなずなの後ろを着いて、正面玄関口から建物の中に入る。
なぜそんなに怒る?
ギャル魂奪われたからか。
…そっちのが、断然いいけどな。ナチュラルなもんだから、美人が一層引き立ってる。
いや、ギャルのままでも、なずなはなずなだから、俺的にはいいんですけど。
なずなの後ろを引き続き歩いていくと、下りの階段に差し掛かる。
そこは一気に薄暗くなっていて、どんよりし出した。
「…地下にあるの?」
「あぁ。特別班って、表立った部署じゃないからな。ひっそりとしてる」
「へぇー」
「魔力取引の条例自体も表立ったモンじゃないし。普通に暮らしてたらそんな条例関わらないだろ」
確かに。
地下二階、だろうか。
降り立った廊下は、蛍光灯一本のみで明るさを保つ程度の明るさで、より一層ひっそり感が漂っていた。
廊下にはいくつもドアが並んでおり、その真ん中のドアをなずなが開ける。
「拓狼さーん。伶士連れてきた」
え。警察さん相手に、なぜそんなにフランク…!