俺のボディガードは陰陽師。~第三幕・不穏な悲鳴~
「…ここからは、ちょっと俺、ズルいことしちゃったんだよね?ごめんね?」
「え?」
目が合うと、ニッと笑い掛けられる。
急な話のフリに、思わずガクッとなる。
そんなてへぺろ的な…。
「新任の校長だけは元々警察には協力的だったんだけど、校長が呼び掛けても他の教員や生徒達がなかなか口が堅くてね?いやはや」
「はぁ…」
新任の校長?
「やっぱ、生徒の事情は生徒が知ってるでしょ?…田丸くんの所属していた生徒会。ここが特にみんなだんまりで、全然取り合ってくれなかったんだ。警察を信用してくれなかったみたいで、困ったもんでした」
ウンウンと一人頷く綾小路室長。
それをポカーンと見ているカタチとなっていたが。
「…ですが、しかし!学園側からどうしても内部事情を得たくてさ?…そこで、君の名前出しちゃったんだよね?そこがごめんポイントってなワケだけどさ」
「俺の…名前ですか?」
「そう。高等部の校長にこっそり『明日、ウチの捜査員と、そちらの生徒だった橘伶士を潜入捜査員として送り込みます』って。一か八かの賭けで」
「えっ…」