俺のボディガードは陰陽師。~第三幕・不穏な悲鳴~
学園側に、学園を辞めた俺の名前を?
それって…いいの?
潜入捜査になるの?
「…君のことは、ちょっと調べさせてもらったよ?橘伶士くん。…橘グループの御曹司さんなんだね?」
「あ、はい。そうですが…」
警察さんに、素性がバレた。
って、昔と違って、今となっては橘の人間とバレてもさほど抵抗はないけど。
「そんなセレブな君が、中高一貫のあの北桜学園を、途中で辞めて公立高校に編入している。これは、どうしたもんかな…?」
「え…あ、高校サッカーを…」
「なーんてね?」
綾小路室長はニッと笑いかけたままでいる。
何だか、いろんな意味を含んでいる笑いだ。
この人、侮れない…と、思わせるような。
「…まあ、話を戻そう。いひひ。橘くん、君の名前を出したら、思惑通り」
「は?思惑通りに…なった?」
「うん。高等部の校長、君のこと知っていた」
「え…」
高等部の校長?
俺、接点ないはずだけど?
誰?
首を傾げてしまう。
「そして、ここぞと云わんばかりに、高等部の校長も君の名前を生徒会にこっそり出す。すると…」
「…すると?」