俺のボディガードは陰陽師。~第三幕・不穏な悲鳴~

「このお断りって、前代未聞の出来事らしいね?」



綾小路室長は簡単に言うが。

VIPレディクラ入りを断るだなんて。

北桜の生徒なら、その仲間入りをしたい、肩書きが欲しいのがほとんどのはずなのに。

…薫だって、レディクラに入りたいがために、兄貴と…。



それなのに、カトレア会は全員揃ってそれを断るなんて…!



「…どうやら、カトレア会はVIPたちの悪行には気付いていたようですよ?…と、この事がきっかけで、高等部にはVIPレディクラVSカトレア会という構図が、出来上がった」

「VIPらと対立…!」

そんな、しかもVIPらを敵に回すなんて!

な、何やってるんだ!凌憲や舞絵たちは!



「最初はお互いジリジリ冷戦状態だったそうですよ?…でも、昨年の秋のとある出来事で、事態は大きく変わる」

「それって…何ですか?!」

「…カトレア会のリーダー的存在である、芦屋凌憲くんが、生徒会に入るんだ」

「凌憲が、生徒会…?」

いやいや、ここ本当は驚くべきところではない。

凌憲は、中等部でも生徒会長なんてやっていた。

高等部でも生徒会、というのは自然といえば自然。

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