俺のボディガードは陰陽師。~第三幕・不穏な悲鳴~
「まあ?俺達にかかれば?その蠢く魔力の正体と、田丸くんの体内にある魔力が同一のものか確認出来れば?クロとなるんですけどね?」
「………」
「…万が一そうだとしても、それを傷害事件として立件するのは難しいことなんですが…まあ、余罪いろいろありそうだから、そっちでしょっぴくけど…」
まさか、カトレア会とVIPが対立していたなんて、夢にも思わなかった。
ひょっとして…。
《それに、事の原因は、VIPとレディクラのことでしょう?調べはついてます》
原因、俺?…じゃないよな?
でも、もしそうだとしたら。
俺は一人で勝手に学園を飛び出して…みんなを残して。
一人で悠々と高校生活を楽しんでいたことになる。
何て…ことを、したんだ。俺は。
あまりの衝撃に、動揺を隠せない。
綾小路室長やなずなが傍にいることをも忘れて、ただ固まって俯くのみだった。
変に胸が高鳴って、痛い。
それを抑えるのに必死になっていた。
「…俺が聞いた話は、ここまで。…後は、自分の目と耳と、心で確かめてくるといいよ?」