俺のボディガードは陰陽師。~第三幕・不穏な悲鳴~
恐る恐ると右肩を確認する。
そこには、小さな頭のてっぺんが…。
…やはり!
なずなが、俺の右肩に頭を乗せて。
すやすやと寝ている。
その光景を見て、目を丸くしてしまう。
なずな、おまえ…今、昼だぞ?
これから重大ミッションだというのに、寝る?!
しかも、何で毎度毎度、俺のいる方に倒れてくんの?!
あのなぁっ?!
しかし、今回は。
目の前に目撃者がいる。
「………」
綾小路室長が、俺達の寄り添うカタチとなった姿を見て、目を丸くして絶句している。
き、気まずい…!
「…橘くん、なずなのカレシなの?」
疑惑の視線を向けられている…!
「ち、違いますっ!」
大人、しかもおまわりさんを前に、勢いで全否定してしまう。
い、いや、べ、別に嫌じゃないんだけど、嬉しいんだけど…大人の目の前ってのは!
目の前の綾小路室長と、右肩のすやすやなずなを交互に見回してあたふたしてしまった。
「…じゃあ、ただ迷惑なだけだよね?」
そう言って、綾小路室長は手にしていたプリントを筒状に丸めて「こらっ!」と言いながら、寝ているなずなの頭をポンと叩く。
すると「わっ!」と体をビクッとさせ、挙動不審にキョロキョロしながら体を起こしていた。