俺のボディガードは陰陽師。~第三幕・不穏な悲鳴~


そして、その山さんとやらは、すぐに立ち去ってしまった。

まるで嵐のように…。



呆然とそのいなくなった跡を見ていると、綾小路室長はあははと笑っている。



「はは。生活安全課の刑事さん。いつも暑苦しいから気にしないで?」

「はぁ…」

「今日のモグリ、成功したらたくさんの人員が動くことになるし…だから、頼むねー?」

「は、はぁ…」




綾小路室長の意味深発言は、さておき。

車も準備出来たということで、俺達は地上に上がり、正面玄関口…ではなく、裏口へと向かう。

裏口には、ちょっと古いハイエースが横付けされていた。



「さあ乗って乗って」



そう勧められ、後部座席に先に乗り込んだなずなに続こうとしたが、中の様子がただ事ではないことに気付き、足を止めてしまった。



「…えっ、何これ」



なずながちょこんと腰かけているその向こうには。

壁一面に、テレビ?!

いくつものモニターがズラリと並んでいて、奥には何やら精密そうな機械まで。

え…テレビ局のモニタールーム?!

何で大型バンの荷台部分がこんな…!



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