俺のボディガードは陰陽師。~第三幕・不穏な悲鳴~
俺の着てるブレザーに、小型カメラ…?
着た感じ、全然わからなかったぞ…?
さすが、文明の利器。
カメラ人間になってしまった。
「なずなは、さっき渡したヤツも着けてね」
「はいはい」
すると、なずなはポケットからバレッタを取り出して、トップ部分の髪を取り分けてバチンと止める。
まさか、そのバレッタにもカメラが…。
「なずなにはこっちの音声が聞こえるよう、無線を渡してあります。こっちを映せだの、あっちに行ってみてだの指示を出すので、従って下さい。…なずな、無線付け忘れないでね」
「お、そうだ」
促されて、なずなはまたまたポケットに手を入れる。
取り出したのは、シルバーのイヤーカフ。
右の耳にパチンと着けていた。
おしゃれな無線…科学の進歩を感じるわ。
すると、車が左折のウインカーを上げて、ゆっくりと曲がる。
ごちゃついた街並みから一転、街路樹が綺麗に植えられ、整備された広めの道路に入った。
北桜学園の敷地内だ。
見覚えのある、懐かしい風景。
とうとう来た。
約一年ぶりの母校。
北桜学園だ。