俺のボディガードは陰陽師。~第三幕・不穏な悲鳴~
「…じゃあ、まずは高等部の校長室へと向かって下さい。話を聞いた後、そのVIP専用ラウンジへと向かうこと。13:38ミッション開始としよう」
時計を見ながら、俺達にそう告げる綾小路室長。
始まる。
「伶士、行くぞ」
なずなと顔を見合わせて、互いに頷く。
大型バンの重いドアを開けて、足を降ろした。
なずなも順に降りてくる。
「気をつけて。健闘を祈る!なんちて」
ちょっとふざけた感じで敬礼をしてきて、その後軽く手を振られる。
頭を軽く下げて、彼らを背に校舎を見据えた。
本当に来ちゃったよ…。
まさか、またここの敷地に足を踏み入れることになるとは、思いもしなかった。
(………)
いろいろ思い出されては、考えることがあるけど。
それはもう、過去の出来事。
横を歩いているなずなの横顔をチラッと見る。
『俺も一緒に連れて行け!』って、無理言ったんだ。
今はもう、前を向いて。
やるべきことをやる。
なずなの力に、なるんだ。
強く…なるんだ。