俺のボディガードは陰陽師。~第三幕・不穏な悲鳴~
この時間は昼休みが終わり、授業が始まる直前の時間。
正面玄関口は鍵の空いている時間だ。
そして、生徒も教室にいる時間。たくさんの生徒に姿を見られず中に入るには、ちょうど良い時間だった。
でも、一年前とは見た目が変わってるし、眼鏡かけてるからバレるかもという心配はないんだけど。
「こーちょーの部屋どこ」
なずなが、俺のブレザーの袖をちょんと引っ張る。
「…奥の階段昇って二階のすぐ」
「おう」
今、改めて顔を見たけど。
今日のなずな、やっぱ違和感だ。
しかも眼鏡をかけてるから、余計。
でも…北桜の制服似合ってるな。
美人でスタイル良いから、着こなせてる。
そんなことを思いながら、廊下を歩き進めていくと、突き当たりには階段がある。
昇っていくと、踊り場に鏡が貼ってあり、北桜の制服姿の俺となずなが映っていた。
俺達、本当に北桜の生徒みたいだ。
…もし、二人で北桜に通っていたら、こんな感じ?
なんて、妄想してしまう。