あの日の帰り道


「もうすぐ学校始まるけど、金田が晃司に声をかけるとしたら学校付近だろうな」


「金田が晃司に?そんな事があったら晃司が大人しく話を聞くと思うか?」


「……しないな。
速攻で金田をボコるだろ」



山本弟くんと上杉くんが不機嫌そうな相沢くんを見ながら何やら不穏な事を言ってた気がするが、二人の話を聞いてる余裕がなかった。



私は自分が狙われるとばかり思っていた。



まさか相沢くんを調べてバイト先を聞いて私への手掛かりを探しにここまで来るとは思わなかった……。



私のせいだ。



相沢くんに迷惑をかけてしまった……。

もう余計な心配かけたくなかったのに……。



そう俯いて思案してた私に、上杉くんの手がのびて頭を撫でた。



「咲季ちゃんは心配しなくて大丈夫だよ」



まるで心を見透かすような言葉。



「うん、皆んなありがとう」



とにかく。
私の為に集まってくれた上杉くん達には感謝してもしきれない。



内心はまだ不安だらけだが、集まってくれた彼らには精一杯の笑顔で御礼を伝えた。

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