あの日の帰り道


!!!!!

私達、かなり注目浴びてるっっ!?!?



いきなりの現実世界に顔が真っ赤になるのがわかった。



「あ、相沢くん、あの…」



恥ずかしさのあまり俯いて声を濁していると上杉くんが助けてくれた。



「晃司、場所を考えろよ」


「………わかったよ。ごめん、咲季」



抱き寄せられた腕が離れると、寂しいと思いつつ ホッと胸を撫でおろす自分がいた。



「だ、大丈夫。ありがとう相沢くん」



俯いたままで何故かお礼を言っていた。

それが変だったのか、相沢くんの声が明るかった。



「なんのお礼?どっちかと言えば俺等がお礼言うほうだけど?」



離れた手が俯いた頭に乗って撫でていた。



「………晃司がこんなにデレるの初めて見たわ……キモッ」



山本弟くんの何気ない一言が突然私の気持ちを揺らした。



相沢くんの元カノさんを知ってる山本くんがそんなこと言うなんて……。



デレてくれる相沢くんが嬉しいと思ったのに、元カノさんとの扱いの差を感じた私は少し気落ちした。


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