あの日の帰り道


そんな日の帰り際。



バイクで来た山本くん達が帰るのを見送っていた時。



「咲季、今度の日曜は休みだよね。何か予定ある?」



相沢くんが聞いてきた。



「図書館で勉強する予定だよ」


「じゃあ、その予定キャンセルして俺に付き合ってくれない?」



柔らかい笑みの相沢くん。

思わずその端正な顔に見惚れていたら話が決まってしまった。



「日曜の朝7時にここで待ってるから」


「……え?」



急な事にポカンとしていたら相沢くんはヘルメットを被って自分のバイクを動かしだした。



それを横で聞いていた上杉くん。



「夏休み最後の日くらい楽しまないとね」



私の背を押して自転車へと促しながら話かけた。



「ほら、帰ろう。咲季ちゃんが家に帰らないと俺等は帰れないんだから」



そう言われてしまうと帰らないわけにも行かず、大人しく帰ることにした。


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