あの日の帰り道

幼馴染みと彼女



夏休み最後のバイトの日の朝。



自転車に乗って店に向う途中だった。



前方の方でガシャンと音が聞こえた。



よく見れば自転車が倒れているようだ。



その横で男女が少し話をしていて、自転車に跨ったままの男はそのまま走りだした。



女の子の方は座っていたが立とうとしてまたすぐにしゃがみ込んだ。



それが気になって、女の子のいる場所まで行くと無意識に声をかけていた。



「遠くから見えたけど接触事故だよね?大丈夫?」



不意に声をかけられたからか、女の子はバツが悪そうにおどけた。



「見えてたの?恥ずかしいな。でも大丈夫だよ」



そう返事する女の子は私と同じ高校生くらいかな?

何気に全身を見ると、膝が赤くなってるのが見えた。



「ちょ……血が出てるよ!?」



膝が赤くなってる程度でなく、血が垂れていたから慌てて自転車から降りて彼女の前にしゃがみ込んだ。


< 115 / 248 >

この作品をシェア

pagetop