あの日の帰り道
コンコンッ
「お疲れ様です」
テーブルにうつ伏せていた私は急に現状を思い出した。
休憩に入ってきた相沢くんが隣に座る気配。
慌てて顔を上げて素知らぬフリを装う。
「ヤバイ。寝ちゃってたよ。今何時?」
わざとそう言って時計を見ながら立ち上がる。
「………サンドイッチ、食べないの?」
私のお皿に乗ったままのサンドイッチを見た相沢くんが呟いた。
「わ、忘れてたっ。良かったら相沢くん食べてくれる?私もう時間だから」
自分のサンドイッチが乗った皿を相沢くんの方に動かすと、皿を寄せていた手を掴まれた。
「咲季、体調が悪いのか?」
心配そうな顔の相沢くんを見ると胸が締めつけられた。