あの日の帰り道


……………。



私ってこんなに性格悪かったんだな。



「ふっ、ふふっ」



自嘲の笑みが声に出た。






最低な女。



彼女は元カノだって知ってる。

上杉くんも相沢くんに今は彼女いないって言ってた。



なのに、わざと相沢くんの彼女だと言った。



別に相沢くんを困らせる為じゃない。



私は相沢くんの事なんて何とも思ってないと言いたかっただけ。



好きだけど付き合えない。

だから好きと言わない。

だから相沢くんの好意もいらない。



もう相沢くんと話したくない。

相沢くんを見たくない。







更衣室の床にうずくまって声を殺して泣く。






そういえば前はいつもこうしていた。



そもそも、相沢くんの前で泣いたのがいけなかったんだ。



相沢くんの前で泣かなければ好きだと気付かなかったかもしれない。



きっとそうだ。





…………。



そうだ……。

今日はマックに寄るのやめよう……。

早く帰ろう……。







< 128 / 248 >

この作品をシェア

pagetop