あの日の帰り道
「気にしないでね。ちょうど将也と駅にいた時に晃司が連絡してきたから同じ電車に乗れたけど………警察突き出さなくてよかったの?」
彼女の言葉に感謝しつつも、相沢くんを晃司と呼び、相沢くんから連絡を貰ったという事にツキッと胸が苦しくなる。
そのせいで彼女に問いかけられてた事にも気付かず無言でいたら相沢くんが心配してきた。
「咲季……次にまた金田が咲季の前に現れたらもう警察に突き出すからな」
有無を言わせないとばかりにテーブルの下で私の手を握りながら宣言された。
「………」
俯いたまま何も話せないでいると上杉くんが場の空気を変えた。
「咲季ちゃん、早く食べないとバイトの時間になっちゃうよ?その話はまた後にしよう」
それもそうだねと皆がまたご飯を食べ始めるとタイミングを伺っていた上杉くんが声をかけた。
「それで、いつから二人は付き合いだしたのかな?」