あの日の帰り道


「咲季、それは」
「晃司は黙ってて!」



相沢くんが私に言い訳しようと声をかけてきたのをスパッと切り捨てる彼女。



「伊藤さん、私が晃司を好きだったのは中3までだよ。中3の時に無理やり晃司の彼女にしてもらっただけ。
晃司は私をただの幼馴染みにしか思ってなかったけど私が晃司に頼んだだけなの」



いきなり彼女が私を見つめて告白した。



………頼んだ?彼女にして、と?



無言の私をどう思ったのかはわからないが彼女ははっきりと告げる。



「晃司は私に恋愛感情なんて持ってないよ。私の我儘に無理やり付き合わせただけだから、私の事なんて気にしないでね。
今は………将也と付き合って半年経ってるから」



再び照れた彼女は山本弟くんの腕にしがみつきながらも私の為に皆の前で宣言してくれた。



「咲季、俺が好きになったのは咲季だけだよ」



相沢くんも彼女の言葉に頷いてから皆の前で告白してきた。


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