あの日の帰り道
「相沢くん、これうちの学校の文化祭のパンフだけど来てくれるかな?」
ある日。
私と相沢くんが駅からバイト先に向うと、店の裏手の駐輪場にバイト仲間の大島さんが待ち構えていた。
私達が電車通学だから駅から一緒に出勤しても何とも思わなかったようだが……。
仕事中に色々言われたくなくて、バイト先には私と相沢くんが付き合ってる事を内緒にしていた。
だから相沢くん狙いの大島さんが何をしても私は何も言えない。
大島さんと相沢くんを気にしつつ無言で店の裏口から入ろうとした。
「悪いけど女子高の文化祭は行く気ないから。どうせバイトだし、彼女にも誤解されたくないからね」
キッパリと断る相沢くんの声が聞こえて安心しながら裏口の扉を閉めた。
その後何があったかは知らない。
けど、何故か仕事中の大島さんは機嫌が良かった。
反対に相沢くんはいつも以上に無愛想な態度で仕事をしていた。
その理由を意外な人から教えられた。