あの日の帰り道


「………咲季ちゃんがリボン付ければそれだけでいいんじゃね?」



相沢くん達が乗り降りする駅に隣接する駅ビル内を歩きながらプレゼントを探していた時に山本弟くんが呟いた。



バシッッ!!



莉奈ちゃんが思いっきり山本弟くんを叩く。



「最っ低ーー」



軽蔑するような眼差しを彼氏に向ける莉奈ちゃん。



「っ痛いってば!
……しょうがねぇだろ。男は皆同じだよ。男なら誰でも考える事だろ?」



叩いた彼氏が否定せずにそう言い切ると今度は莉奈ちゃんが顔を赤くして彼氏を無視した。



「ま…将也は放っとこう!」



そう言って私の腕を組んで歩き出す莉奈ちゃん。



そんな莉奈ちゃんが可愛くみえた。



そりゃ私に向けて言った言葉だけど、男は皆同じだなんて言ったら自分もそうして欲しいと言ってるのと同じだからね。



私だって相沢くんにそんな事言われたらどういう態度で接したらいいかわからなくなる。



だから、後から追ってきた山本弟くんが慌てて莉奈ちゃんを捕まえて弁解してる光景が微笑ましかった。


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