あの日の帰り道


そんな二人が羨ましかった。



素直に何でも言える関係が。



………私には出来ないから。



相沢くんは何でも私に話してくれる。



でも。



相沢くんは私に気を使ってくれる。



もしかしたら私が話すのを待ってるのかもしれないけど、相沢くんは私の事をあまり聞こうとはしないから。



私が自分の事を話したくないから。



毎日、深夜0時を過ぎないと家に帰らない理由。

休みの日は一日中図書館にいる理由。

私が進学校に通ってるのにバイト三昧な理由。



およそ普通の女子高生、とは言えない自分の事を私から話すつもりはない。



だから普通に痴話喧嘩する二人が羨ましかった。


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