あの日の帰り道


どうにか相沢くんへのプレゼントを買えた私は莉奈ちゃん達とバイト先の店近くまで来た。



買い物に付き合ってくれた二人に店で夕飯を奢ろうとしたから。

でもこの時間まで二人と一緒にいたら相沢くんに不審がられる。

まさか相沢くんへのクリスマスプレゼントを買いに行ってたなんて言えるわけない。



なので店まで送ってくれた二人とはここで別れて私は一人で店の裏口から控え室に入って相沢くんの仕事終わりまで待つ事にした。



普通に客として店に貢献しようかと思ったけど、絶対に金田と遭わない保証もないので大人しく控え室で待機する。



20時半を過ぎると客も少し減るので頃合いを見てこっそりと店長に声をかけた。

流石にお腹空いたので夕飯を頼んだ。



それから少しすると控え室のドアをノックする音が聞こえた。



「失礼します」



そう言いながら入って来たのは相沢くんだった。



店長に何も聞いてなかったのか、私が控え室にいるのを見た相沢くんが目を丸くして私を見つめた。


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