あの日の帰り道


目の前のホットココアをぼうっと見つめながらそんな事を考えていたから相沢くんの話を聞いてなかった。



「……咲季?聞いてる?」

「ご、ごめん。聞いてなかった」



気付けば相沢くんが少し身を乗りだして私の目を見ていた。



「……今日、何かあったの?」



上の空だった私の心配をしてくれる相沢くん。



「何もないよ」



笑顔でそう言いたかったのに、今日と言われて山本弟くんの言葉が出てきたから少し顔が赤くなったかもしれない。



でも結果オーライ。

相沢くんと目が合って顔を赤くしたと思われたようで、相沢くんは嬉しそうに微笑んでる。



「じゃあ、クリスマス後は予約したからね」



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