あの日の帰り道
意味深な言葉を告げられて途端に慌ててしまった。
「クリスマス後?」
聞き返すと相沢くんが念を押してきた。
「25日のバイトの後。キャンセルは受け付けないからね」
イヴもクリスマスもバイトだからそれはいいとして、何でわざわざ予約する必要があるのかと疑問に思いつつも了承の意で頷いた。
すると途端に破顔する相沢くん。
「じゃあクリスマスの日はちゃんと迎えに行くから用意しといてね」
笑顔でそう告げる相沢くん。
……迎えに?バイトがあるのに?
「バイト後の話じゃないの?」
きちんと話を聞いていなかった自分が悪いのだが安請け合いして頷いた事を少し後悔した。
「クリスマスの日は俺も咲季も同じ時間帯だろ?だから家まで迎えに行くよ。咲季の自転車を店に置きっぱはなしに出来ないだろ?」