あの日の帰り道
仕事の合間でも
イヴが終業式だったからクリスマス当日は冬休みなので朝の9時からバイトだ。
相沢くんも同じ時間なので予告通りに8時半には家の前にバイクで迎えに来てくれた。
クリスマスに相沢くんと何処かに行くのだから本当なら少しだけ可愛い格好にしたかったけど、バイクに乗るには可愛さより寒さ対策が必要だ。
それでもやっぱり可愛さも入れたくて考え抜いた挙げ句、この格好になったのだが……。
「……その格好で行くの?」
私の私服を見た相沢くんが開口一番に呟いた。
「だ、ダメかな……?」
膝上くらいまであるダッフルコートを着た私。
今日は勉強道具もほぼ持たず小さめのリュックを背中に背負っているだけだ。
コートの下から見えるのは黒の厚手のタイツと長めのブーツ。
相沢くんには見えてないけど、コートの下は白のセーターとミニスカート姿だ。
きっと何処かで夜ご飯を食べると思ったからコートを脱いでもデートっぽい格好にしたかったから。