あの日の帰り道


きっと気付いてるよね……。



明日は何の予定も無い。

店長が勝手に休みにしただけだ。



ただそうなると、相沢くんの休みが同じというのが気になった。



もしかして、相沢くんが休みを合わせた?



そう考えた時に突然山本弟くんの言葉を思い出す。



『男なら誰でも……』



……………まさか?



突然降って沸いた疑問が私の思考を停止させた。



「コンコンッ」



休憩室のドアをノックする音で我に返る。



「お疲れ様」



ガチャリとドアを開けながら相沢くんが声を掛けた。



「お、お疲れ様っ!」



平常心を保とうとして返事をするが、思いのほか大きい声でキョドった返事になってしまい恥ずかしさから身を竦めた。



「どうした?」



少し冷やかすような笑顔で顔を覗き込まれるとすぐに顔が熱くなるのがわかった。


< 183 / 248 >

この作品をシェア

pagetop