あの日の帰り道



「同じ学校?」



「うん。ホームで彼女と腕組んで電車来るの待ってたの何回か見たよ?」



正直に言うとやっと観念したようだ。



相沢くんはバツが悪そうに手で口元を隠した。



「あれは彼女じゃないよ。俺、彼女いないし」



そう言いながら視線を逸らす。



ん?照れてる?



相沢くんでも彼女の話されると照れるんだな。



彼女いないってことはまだ付き合ってないだけか。



さっさと告白しちゃえばいいのに。



あんなに親しげに話してたなら絶対に脈があると思うのにな。



「そうなの?でもあんまり待たせないほうがいいよ。彼女可愛いから他の男に取られちゃうんじゃない?」



そう言いながら何気に時計を見た。



「あ。もう戻るね」



ちょうど休憩が終わる時間だった。


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