あの日の帰り道



「こちらになります」



中庭の横を突っ切るとそこには可愛いらしい丸太小屋みたいな素敵な家があった。

………こういうのをコテージって言うのかな?



オーナーがドアの鍵を開けるとそのまま相沢くんに鍵を手渡した。



「どうぞ」



オーナーに促されて室内に入ると、遅れて来た女性が現れた。



「お部屋、自由に使ってくださいね。
あと、他で召し上がられたかもしれませんがこちらをサービスで置いていくので良かったら召し上がってください」


そう言いながら部屋のリビングテーブルに置いたのは、2人で食べるならちょうど良い大きさの丸いクリスマスケーキだった。



「ありがとうございます!まだケーキ食べてないから嬉しいです!」



特別に甘党というわけでは無いがケーキは嫌いじゃない。

それに何もクリスマスらしい事の無い一日だったから単純に嬉しかった。


< 203 / 248 >

この作品をシェア

pagetop