あの日の帰り道
* * * * *
早くも今のバイトを始めてから6ヶ月が経っていた。
世間の学生はもう夏休みだ。
楽しい夏休みに突入して最初の土曜日。
「あれ?相沢くん?」
朝の7時過ぎだというのに、自宅近くのマックで相沢くんを見つけた。
相沢くんも驚いたようで食べかけのハンバーガーを持ったまま固まって私を見ていた。
「あ、急に話かけてごめんね。おはよう、誰かと待ち合わせ?」
話かけてもまだフリーズしたままの相沢くん。
………もしかして例の彼女と待ち合わせだったかな?私、邪魔しちゃってる?
驚き方が尋常じゃなかったのでつい気になってしまった。
「……ごめんね、私のこ」
「おはよう。あ、隣座る?」
「え?あ、でも……」
我に返った相沢くんは慌てて隣の席を勧めてきた。
まだ朝早いからか席は選び放題なのだが、声をかけてしまった手前、遠慮して離れた席に座るのも余所余所しすぎるかと悩む。
そんな私をよそに相沢くんは席の横に置いていたバッグをどかして「どうぞ」と手で促した。
そう促されては拒否るのも失礼かと諦めて横のテーブルに落ち着いた。