あの日の帰り道
「…………気に入らなかったら捨てて」
ふいに寂しげな声が聞こえた。
あまりにもネックレスを凝視していたから気に入らなかったと思われた!?
慌てて何度も首を左右に振る。
「………あり…がと」
やっとの思いでお礼を口にすると、いつの間にか手袋を外した相沢くんの手が頬に触れて顔を上向かせる。
「……泣きそうな程嬉しい?」
今にも涙が溢れそうな私の顔を見た相沢くんが視線を合わせて問いかける。
だから素直に頷くと優しくキスされて抱きしめられた。