あの日の帰り道



「部屋に行こう」



気付くとカップを洗い終わった相沢くんが私の側に来ていた。



そう認識した瞬間、身体が後退った。



「…………行こう」



私へと伸ばしかけた手を引っ込めた相沢くんは私に触れる事なく部屋へと続く階段を歩き出した。



その後ろ姿が虚ろに見える。




…………私が後退ったから



…………私が拒絶したから



…………私が受け入れないから



…………私が





















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