あの日の帰り道
「咲季っ!!!」
相沢くんが呼ぶ声が聞こえた。
どうしたんだろう?
気になって目を開けてみた。
「……咲季」
すぐ近くに悲しそうな相沢くんの顔が見えた。
「………相沢、くん…どうしたの?」
手を伸ばして相沢くんの頬をそっと触れる。
途端に強く抱きしめられて、相沢くんの体温を感じると心地良くなった。
「…………」
でも無言の相沢くんが気になった。
「……何かあったの?」
私の首元に顔を埋める相沢くんの髪に触れる。
そのまま手を動かして相沢くんの髪を撫でた。
その感触が嬉しい。
相沢くんを甘やかせてる気分になる。
自分のが年上なのにね。