あの日の帰り道
「………父親と顔を合わせないように気」
「相沢くんっ!!!」
それ以上は聞きたくなくて話しを遮る。
「どうして……」
「………俺はストーカーだって言ったろ」
いつもの優しい相沢くんの声でなく、低く吐き捨てるような言い方。
「……俺は5月からずっと咲季のストーカーなんだよ」
………5月?
……山本くんにナンパされたのが……確か6月?
そう言われて突然とある光景が頭に浮かんだ。
帰り際、自転車置き場でスマホをいじる相沢くんの姿。
それが当たり前だと、いつから思うようになっていたのか。
でも、私がバイトを始めた頃、自転車置き場に相沢くんはいなかった事を思い出した。