あの日の帰り道


とにかく、下手なお世辞の言い合いはしたくなくて営業用スマイルで誤魔化してから席を立つ。



食べ終えたハンバーガーの包みを片付けようと思って立ち上がっただけだが、その拍子に相沢くんに腕を掴まれた。



「ごめん俺、なんか嫌なこと言った?」



端正な顔が不安げな色を帯びて問いかけた。



「………?」



問われた意味がわからなくて首を傾げた。




「………お前、何してんの?」



そこへ突然聞こえた第三者の声。



吃驚して声の方を見ると眼鏡をかけた男の人がすぐ前に立ってこっちを見ていた。

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