あの日の帰り道


何度目かのため息をついてからノートを開くとまた上杉くんに質問された。



「それで、咲季ちゃんはなんでこんな時間にここにいるの?」



流石に私も諦める。

どうしても上杉くんは私に何か聞きたいらしい。

それを聞くまでは何度となくしつこく質問されそうだと諦めてノートを閉じた。



「家で勉強するより外で勉強したかったの。図書館が開く時間になったら図書館に行」
「えっ!?まさか一日中図書館にいるつもり?」



質問されたから答えたのに、話してる途中でまた問い返された。



「受験生なので」



思いきりムッとした表情で言い返した。



「じゃあ今日は勉強以外に予定は無いってこと?」



「受験生なのでっ!」



気分を逆撫でされる言い方に、思わず強く言い返した。



でもそんな私ににこりと微笑む上杉くん。



「じゃあ今日は俺らと遊ぼう」



………………はい?



「受験生なら、たまには息抜きも必要だもんね」



満面の笑みで言う上杉くんは、呆然としていた私にヘルメットを被せた。


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