あの日の帰り道


私が相沢くんの後ろに乗ると上杉くんがスカートを気にしてチェックしてる。



出来るだけ足とお尻でスカートの裾を押さえこむとやっと上杉くんのOKが出て、相沢くんはエンジンをかけた。



その振動に少し吃驚して相沢くんの背中に手をついてしまった。



「咲季、安全運転で行くつもりだけどちょっと遠いから、ちゃんと両手で俺を掴んでて」



言われた通りに両手で相沢くんのシャツを軽く掴む。



「……遠いって何処に行くの?」



上杉くんがどこから持ってきたのか、髪ゴムで私の髪を束ねながら質問に答えてくれた。



「海は遠いし道が混むから山の方に行く。後は着いてからのお楽しみ♪咲季ちゃんの荷物は俺のバイクの中に入れておくから安心してね」



髪を結んでくれた上杉くんは座ってる私をくまなくチェックする。



「咲季ちゃん、その掴み方だと晃司のシャツが出てお腹丸出しになっちゃうから、ちゃんと身体にしがみついてね」



からかうように笑いながら相沢くんは自分のバイクに跨がった。


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