あの日の帰り道


「着いたよ」



最初こそ後ろを走っていた上杉くんだが、私が慣れたからか途中から先導してた。
先に着いた上杉くんがバイクを停めて私に手を貸してくれた。



走行中の風圧でスカートがなびくのを必死に足で食い止めてたからか、1時間ちょいも無駄に力を入れていた足は降りようとするとフラついてしまう。



「……帰りは俺のバイクのが良いかな?」



上杉くんのバイクは原付きが大きくなったようなタイプのバイクだ。



運転する人は足を開かなくても乗れるだろうが、後ろに乗る人はどっちにしても跨ぐしかないから変わらなそうだな。



などと思いながら上杉くんに支えられて立っていたら、バイクを停めた相沢くんが来て肩を支えてくれた。



「咲季、大丈夫か?」



相沢くんのシャツを見てさっきまで相沢くんにしがみついていたことを思い出した。



「だ、大丈夫。もう地面に慣れたよ」



思いだして赤くなりそうな顔を俯かせて地面を見ながら、自分の言った言葉が変な日本語だなと自嘲した。


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